オーガニックな”食べもの”の流通に関わるようになって半年。 前から個人的には買っていたミカン農家さんから「 完熟晩生ミカン」を仕入れようとして、 お客さんに農法を説明しようと、どう育てているか細かく聞いた。 ミカンの木を枯らす害虫の存在や、 それに挑む彼の姿勢などを教えてもらったり、 ネット情報で虫のことを調べてみると、簡単に「農法」 を分類できない。でも、 買って食べて頂く方にミカンの育ち方をある程度伝えたい、 とのジレンマに襲われました。 ミカン農家さんがミカン畑という現場でチャレンジするように、 私もこのジレンマと付き合った結果をご紹介します。
農法分類
私が係わっているオーガニックな”食べもの”
無農薬無化学肥料=無無
有機JAS=有機
自然栽培(無農薬・無肥料)=自然
EM農法=EM
特別栽培=特別(国が定めた慣行基準の半分以下の農薬・
減農薬=減農薬
”=”の右にあるのは略称です。
あるミカン農家の農法
農家さんからの説明は非常にシンプルです。
(引用開始)
> 畑に投入しているものは、乳酸菌・木酢・海水が主です。
> これに加えて、
> 肥料も基本無肥料ですが、
> もちろん有機であり、化学肥料は一切使いませんが。
(引用終了)
乳酸菌は畑に生えてる「よもぎ」などから採取して培養したもの、
私はマシン油が気になりました。要は石油ですから。なぜ使うか?
余談ですが、慣行農では木酢は使っちゃいけないそうです。(
害虫と対策
害虫は次の2種。
ヤノネカイガラムシ(解説ページ)
イセリヤカイガラムシ(解説ページ)
彼ら(虫2種のこと)は外国から明治時代に渡ってきました。
解説ページを読むと両方共制圧されたとのことだが、居る。(
農家さんによる現実は、・・・・。
ヤノネカイガラムシ:
> 現場ではすさまじく猛威を振るっています。
> 現在のもっとも困っている害虫NO1ですね。
イセリヤカイガラムシ:
> ちなみに最近は、
> ピンポイントのタイミングでやっつけないと農薬は効かないと一般
農家さんにとっては、ミカンの木が枯れる危険性があり、
実はネット上にはこんな害虫がまだまだ居ることを裏付ける情報も
ウンシュウミカンのヤノネカイガラムシに対するマシン油乳剤の防
イセリヤカイガラムシ | 農業害虫や病害の防除・農薬情報|病害虫・雑草の情報基地|
この農家さん対策は次の通り。
ヤノネカイガラムシ:
> これ(引用者注:乳酸菌・木酢・海水のこと)に加えて、
> 虫に直接かからないと効果がありません。「
イセリヤカイガラムシ:
> 木酢使えば簡単に駆除できました~~たぶん僕が発見(笑)
> 虫の形状みると効きそうだった!!(笑)
ただ、マシン油の使用量を比較すると、こうなります。
・この農家さん→マシン油年1回(収穫後新芽が出る前)
・慣行農の農家さん→マシン油通常年2回+農薬数回
どうして、マシン油が少なくても農薬散布しなくても、
それは、乳酸菌を散布することで、
細かい証拠はなくても、状況的には十分うなづけます。
ミネラルと微生物は、
マシン油を使わない方法も模索中とのこと。
> (虫の)呼吸系にダメージを与える方法として、
> これが果たしてヤノネに効果があるかはまだ確認できていませんが
> 遠方だと、ありそうなんですけどね~~
> 海藻など海のものは畑に様々な効果をもたらすので、
結論:
さて、このミカンの育て方、どう分類しましょうか?
分類が目的でなく、
1年に最低1回、
世界中を駆け巡る貿易で、生き物が世界中に拡がり、
人がつい最近まで気づかなかったことを、今は気づいているが(
そう、畑でミカンが教えてくれる、作り手が聴く。その繰り返し。
そしてミカン自身があたり前に強くなる。(
虫を寄せ付けない。
そんな方向性が自然栽培なんだろう。
マシン油を海藻煮詰め液に替えようとの姿勢も自然栽培なんだろう
一時のマシン油使用で揚げ足を取るのはよそう。
「自然栽培=自然」と分類しておき、「